アーユルヴェーダ日常の季節と過ごし方

V.B.アタヴァレー著 稲村晃江訳 平河出版社 3,200円

毎日の健康法を朝から順をおって解説していくスタイルになっているが、殆どの記述に古典書の引用元がきちんと書かれているので信頼が出来る。また、巻頭の訳者による解説が、アーユルヴェーダに必要な知識をうまくまとめており、コンパクトだが使いやすい。テキストに最適だが、初心者のみならず、専門家も必携の、質の高い本である。

入門アーユルヴェーダ

B.ダス M.ジュニアス アーユルヴェーダ研究会監修

幡井勉・上馬場和夫・高橋澄子・足立卓郎・中川和也 訳 平河出版社 1,942円

オーソドックスなアーユルヴェーダの入門書としてはよく全体を網羅している。基本概念の解説から、薬の調整法、薬草図鑑、病気の原因とその治療法までが、コンパクトにまとめられている。後ろのINDEXも日本語だけでなくサンスクリットの英訳を英語アルファベットオーダーでひくことが出来て使い易い。アーユルヴェーダを学ぶ人なら是非持っていたい一冊だが、誤訳も多いので、正誤表が必要。

現代に生きるアーユルヴェーダ インド伝承医学の日常実践法

ヴァサント・ラッド著 児玉和夫訳 幡井勉監修 平河出版社 3,200円

アーユルヴェーダの歴史と哲学にはじまり、五大元素、ドーシャ理論、病気の過程、属性、診断法、治療法、治療薬に至るまでコンパクトに全般を網羅している。さらに訳者が本書の3分の1にも及ぶ解説を付け加えており、教科書としては理想的である。

大いなる生命学 ~アーユルヴェーダの精髄~

青山圭秀著 三五館 1,600円

ベストセラー作家でもある著者が、アーユルヴェーダの基礎理論の深いところを、誰にでもわかるような形で伝えようと工夫したのが本書。インドラ神とアートレーヤの問答をいれたり、アーユルヴェーダに現代医学的な解説を加えたりして全く予備知識のない者でもインド医学の基礎が理解できるようになっている。特にサブドーシャの説明はどの本よりも詳細。宇宙創世からはじまるサンキャ哲学の部分も丁寧だ。

アーユルヴェーダ入門

クリュシナ・U・K著 東方出版 2,060円

アーユルヴェーダとは何か?という紹介から、日常生活、季節の生活法、精神衛生、体質、食事、ドーシャ理論の基礎概念など、まさに入門に相応しい内容である。著者の講義を書き起こした形態なので、語りかけられているようで読み易い。

寿命の科学

稲村晃江著 主婦と生活社 1,400円 

日本人初のアーユルヴェーダ医師となった著者が、どのようにしてインドに飛び込み、学んでいったのか?という自伝部分も興味深いが、簡潔にまとめられたアーユルヴェーダの基礎理論の部分と、アーユルヴェーダがインドの生活の中でどのように取り込まれているのかという例をあげた後半部分が、特に面白い。アーユルヴェーダを深く学び、インドの主婦として長く生活した経験を持つ著者にしか書けない本だ。