韓国ドラマにアーユルヴェーダと同じ治療法が出てきて…

インドからはじまったアーユルヴェーダは、仏教を通じて、アジア全土に広まりました。タイ医学、チベット医学、インドネシアのジャムウなどは、アーユルヴェーダから発展したものであると認められています。最近、韓医学(韓国の伝統医学)も、やはりアーユルヴェーダを基礎にしているのかな?と、思うことが多くなりました。

NHKで放送された「大長今(宮廷女官チャングムの誓い)」や、韓国で60%の視聴率をとった「許浚(ホ・ジュン)」を見ていると、アーユルヴェーダと全く同じ治療法や考え方が出てきて、思わず膝を打ちます。ホ・ジュンの中には、蛭を使った寫血法まで登場し、アーユルヴェーダのラクタモークシャナと全く同じ原理で使われていました。

アーユルヴェーダには
蛭を使って寫血する
治療方法がある

韓国の三伏(サンボク)の日…一年で一番暑い日にアツアツの「参鶏湯(サムゲタン)」を食べる

現在の韓国の人達の生活の中にも、その片鱗が見てとれます。たとえば、日本では土用の丑の日にうなぎをたべて精力をつけますが、同じような習慣が韓国にもあります。三伏(サンボク)の日( *1 )と呼ばれる、一年で一番暑いはずの日に、アツアツの「参鶏湯(サムゲタン)」をたべるのが習わしなのです。

参鶏湯とは、まるごと一羽の鶏のお腹に、餅米や高麗人参などの、体がカッカしてきそうな生薬をたくさん詰め込んで石鍋でグツグツ煮込んでスープにしたものです。もちろん、たべれば即、汗だくになります。どうして一年で一番暑い日に、わざわざ熱い性質の生薬をいれた、熱い性質の鶏肉を、しかも石鍋のままのアツアツ状態で食べるのでしょうか?

どうして一年で一番暑い日に、わざわざ熱いものをアツアツ状態で食べる理由

アーユルヴェーダを知れば答えは簡単です。アーユルヴェーダでは一般に、夏場は、体から汗をはじめとしていろいろなものを放散する時期なので、体力や消化力が弱ると言います。( *2 ) だから夏バテするわけですね。ですから夏は、まず熱いものをたべて、汗をかいた気化熱で体を根本的に涼しくすることが必要になります。そして同時に、放散されて弱った体力と消化力をたてなおすために、鶏肉(チャラカの中では体力をつけるものの中では一番とされている)と精力をつける生薬類を、しかも消化吸収されやすいスープの形でとるわけですから、韓国のやりかたは理にかなっていますね!

反対に、暑い日に食べたい「冷麺」は真冬の食べ物です。アーユルヴェダでは冬場は吸収期と言って、消化力や食欲が上がり、何をたべても大丈夫で、体力が上がる時期だといいます。つまり、こんな時だからこそ、ちょっとくらい冷たいものを食べても大丈夫、と考えたのかもしれませんね。冷麺の汁にはトンチミという、氷ったキムチのダシ汁が必要です。顔まで火照るオンドルの部屋で、ほかほかになった体に冷たい冷麺を流し込むのが冬場の楽しみだったんでしょうね。

つい、暑い日は冷麺をチュルチュルッ!と、やりたくなってしまいますが、本当に体を涼しくしたいなら、参鶏湯が正解なのかもしれませんよ!

*1:三伏とは、初伏(チョボック)・中伏(チュンボック)・末伏(マルボック)の総称で、夏至のあとの3回目の庚(カノエ/十干のひとつ)を初伏、4回目を中伏、そして立秋後の1回目を末伏といいます。2008年は、7/19、7/29、8/8になります。ちなみに「土用」とは立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間のことで、「土用の丑の日」とはその期間中に、干支が丑である日をさします。2008年は、7/24と8/5ですね。

*2:A.H.の6季では夏は吸収期(アーダーナ)に入っています