写真は朝日に輝く聖なる岩の上に捧げられた薬用バラの花

今から60年ほど昔、インドに本当にあった物語です。 京都にもたとえられる学究の都プネ市の郊外、ワゴリ村に、 誰も買わない 荒れ果てた土地がありました。

私の師匠の父上であるサラデシュムク・マハラジは、 10代以上続く脈診の名医の家系に生まれた医師であり、また 人知を越える力をお持ちになって生まれた方でした。

ある日、彼がこの地に足を踏み入れた時、 土地の真ん中にある大きな岩から 強い光が放たれているのを見ました。

そして、その光の中に不思議なビジョンを見ました。 そこにはいないはずのマハラジの師匠がその岩の上に立ち、 手を三度回して足下の岩を指したのです。すると、そこから強い光のスパークが全世界に散っていきました。

これをみたマハラジは、師匠が自分に、この土地をすべて買いとり、ここから世界中にインドの古代の叡智の光を届けるセンターを作りなさいという意味なのだなと悟りました。 彼は、即決で、この土地を購入しました。

お金はまったくありませんでしたので、ローンを組みました。 それから彼は小商いをして、ローンをコツコツと払い終えると、 自分の4人の子供達に相続を放棄する旨の書類を書かせ、 この土地に、アーユルヴェーダをはじめとするインドの古代の叡智を研究し、後世に伝え、世界に広めていくための財団を作りました。 それが、今のB.S.D.T(バラティヤ サンスクリティ ダルシャン財団)です。

この荒れた土地に、最初は、ニームの樹以外、なにもありませんでした。私が18年前にはじめて訪れた時にも、小さな建物とコテージがあるだけの場所でした。 しかし今は、この土地に、アーユルヴェーダの大学と、それに付随する病院や、製薬部門、寺、牛小屋、食堂などが建てられて、 少しづつ、マハラジの見たビジョンが本物になりつつあります。

その息子であるサダナンダ先生は、もう10年以上も、毎年 日本にアーユルヴェーダを伝えに来てくれています。 マハラジは、世界にアーユルヴェーダを広めにいく時、まず日本から始めなさい、と、言われたからなのだそうです。

そして、今はその息子のスクマール先生が、日本に来るようになってくれました。