鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

旧暦の、二十四節季七十二候は、立春から始まりますが、
一番最後は、大寒です。その最後の5日間である鶏始乳という季節が
今日から始まりました。
ケイシニューとか読みそうになりますが
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)と読みます。(←読めるか💢!)

自然の鶏は、冬は卵を産まないものだそうで、
少し陽ざしが伸び始めると、いち早く春の兆しを感じとって交尾をし、
鳥屋に入って卵を産み始めるのだそうです。それがちょうど、今ごろ。
動植物は人間が感じ取れない微妙な変化を捉えているんですね。

我が家には、毎年、この時期になると、大寒卵(だいかんたまご)というものをくださる方がいて、立派な卵が届きます。

冬中体力を蓄えた鶏から産まれた初物の卵は、一番栄養価が高くて、食べると一年中健康でいられて、金運もUPする!という縁起ものなのだそうです。

でも、現代の養鶏場では、一年中いつでも卵を産むのですから、あまり関係ないようにも思います。
しかし!アーユルヴェーダ的には大いに関係アリ!なのです。

人間でも、動物でも、この時期は一番消化力が強くなるので、たくさんの栄養を取り込み、体力が強くなる時期です。そんな時に産まれた卵は、ほかの季節よりも滋養があるのはうなづけます。
確かに、大寒卵を食べてみると、甘味が強い気がします。

実は、動物だけじゃなくて、植物も、この季節は一番甘くなるのです。
縮みホウレンソウがあんなに甘いのは、外の寒さに負けないように、体内に糖分を蓄えるからです。そういう草を食べて育つ動物や私たちの中にも甘味が増えて、カパが上がるのがこの季節の特徴、つまり冬太りですね。

でも、カパはいくら蓄積しても、体の中から溢れてきません。
結合性が高いので、どんどん体の中に積み上がっていくだけ。
そして、春の暖かな日差しで溶け出し、溢れてカパ性の症状を起こします。
花粉症はその最たるものなので、冬のうちにカパを蓄積させないことが、春の花粉症を軽くしてくれます。

冬のうちに、「ナスヤ」という鼻のケアをして、溜まったものを排出しておくと、花粉症が出なくなったり、軽くなります。

それにしても…..鶏はラブラブになるのに…
私たちは….鼻水か…. と、ちょっと寂しい気持ちになりますね。

でも、戦前は1〜3月生まれの人口が一番多かったのだそうです。
人間だって、やはり春は恋する季節なんですよね!