月食の害から身を守る〜クシャ草〜

昨日の夜、駅前のコーヒー店に入ろうとしたら、満月が輝いていました。
少し店でまったりして、出てきて空を見上げたら、なんと半月でした!
な、な、なんだ? どーした?!
私がコーヒー1杯飲んでいる間に一週間もたってしまったのか?
もしや タイムスリップ?!….と思ったら、月食でした。笑

あちゃー!残念…月食を見てしまった….

実は私は、10年以上も月食というものを見ていません。
インドでは、日食や月食は悪い波動を振りまくものと信じられているため、厳重に見ないようにするのです。

インドだけでなく、日本も昔は同じように考えられていたため、
「月食は見ちゃいけないというけど、やっぱり見たい!でも、それで悪い評判がたっちゃ嫌だしなあ〜〜」という、西行法師の和歌さえ残っているのです!

「忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも
破(わ)れて月見る 名や立ちぬらん」

しかし、インドの場合には、見てはいけないだけではなく、その間に水や食事を取ることすらもダメなのです。
家畜も小屋に入れて扉を閉め、家の窓もきっちり閉めてカーテンを引いて、水や食料も全て光を浴びないところにしまいます。
さらに、水がめなど、出して置かざるを得ないものには、ダルヴァという草を上に置いて、悪い影響を受けないように守ります。

このダルヴァという草は、薬草としては下痢止めや利尿剤に使う程度ですが、宗教的には欠かせない役割を持っています。
それは、天から降り注ぐ聖なる力の導電体のような役割を持つということ。ちょうど、ワイヤーのようなものだと言います。

だから、インドのお坊さんたちは、儀式をするときに、この草で作った指輪(pavitra)を身につけて体を清めるのです。

しかし、そこまでしなければならないほど、月食の何が悪いのでしょうか?
いつもと違う特別な引力になることや、地球に降り注ぐ光の関係で、人の消化力が弱まり、食料や水が毒に変わると言われているからです。

ですから、月食の間はもちろんのこと、何時間も前から食事や水を取らないようにして、体に溜まった未消化な食べ物が毒にならないようにします。
具体的には、毒といっても、何がどうなるのかわかりませんが、クシャ草はそんな不吉な波動から身を守ってくれる結界を作るようなものとして使われています。
お釈迦様も、クシャ草で作った敷物の上で瞑想をしたと言われています。

今でも、ダライ・ラマから灌頂を受ける前には、クシャ草を渡されて、これを体の左側だけに敷いて寝るように言われるのだそうです。(経験者の友人Yさん談)寝ている間に左側から魔が入らないようにするためだとか。クシャ草はそのように鬼神学で使う薬草なのです。

アーユルヴェーダの鬼神学は、目に見えないものによって引き起こされる病気全てが治療の対象なので、ウイルスによって引き起こされる伝染病や、精神疾患なども入りますが、こうした惑星の影響や、いわゆる祟りのようなものも対象となります。

ネットで探して見たら、いろいろ面白いページがありましたので、深いことをお知りになりたい方は、どうぞご覧ください。

THE HINDU紙の記事 ヨーグルトの腐敗についての実験
http://www.thehindu.com/news/cities/Tiruchirapalli/darbha-grass-a-natural-preservative/article7000098.ece

月食の影響について
http://drkkaggarwal.blogspot.jp/2011/06/total-lunar-eclipse-allopathy-ayurveda.html

こんな論文も….