連載1 サダナンダ先生のコロナ対策セルフケアと解説

インドの名医 サダナンダ先生が教えてくれたコロナ対策のご紹介です。

●サダナンダ 先生の対コロナ処方集 (1)

1. お湯を飲む/煎じ液を飲む

  朝(起床時)と夜(就寝時)に、コップ1杯のお湯/ぬるま湯を飲んでください。

免疫力を落とさない暮らし方。

そのためにサダナンダ先生がトップにあげたのは、「お湯を飲む」という方法でした。

「そんな簡単なことで予防できるくらいなら、世界がこんなに苦しむわけがないだろう!」と、日本のみならず世界中のメディアから袋叩きにされていたこの方法ですが、

サダナンダ先生はそれでも、予防法のトップ項目としてあげています。

一体なぜでしょうか?それは、白湯を飲むことで、免疫力の要である消化力をあげることができるからです。

アーユルヴェーダでは免疫力を考える時に、オージャス、バラ、ヴィヤーディクシャマットヴァなどの言葉が使われます。

オージャスとは生まれつき持っている力と、代謝の末に得られる免疫力の両方を指します。これは、幸福感などのメンタルな要素も含むホルモンのような働きをするもので、生命全体の生きる力のようなものですから、生命素と訳されることもあります。

それに対してバラというのは、体力も含む体の強さを表します。これも食べたものが代謝されて血や肉や骨に変換された末に出てくる力です。毎日のコツコツとした積み上げの末に得られる力です。免疫は1日にして成らずということですね。そしてこれらを総合したヴィヤーディクシャマットヴァは、ズバリ「病気に対する抵抗力」を意味し、その源はアグニという消化と代謝の力なのです。

アグニは自動車のエンジンみたいなもので、これがうまく回らなければ、体はうまく維持されません。

食べたものが、きちんとエネルギーに変換されていくためには、消化や代謝がスムーズに行われることが必要です。

そのために薬となるのが、白湯です。

白湯を飲むことで、お腹を温める。お腹に残ったものを洗い流す、そんなイメージですが、実はその裏に、驚くほど様々な効果が隠されています。

胃腸や、神経や、消化酵素への素晴らしい影響に関しては、「白湯飲み健康法」とか、「白湯のみダイエット」とか「腸は絶対に冷やすな」といった、お医者さんたちが優しく書いた本が出回っていますのでご覧になってください。

「白湯を飲むのがいい」のは間違いありませんが、一日中ガバガバとお湯を飲むのがいいわけではありません。

サダナンダ先生が勧めているのは、起床時と就寝時です。

起床時に白湯を飲むと、胃腸の働きが活発になってアグニのエンジンをかけるような感じになります。しかし、どんな場合にも熱々の白湯がいいとは限りません。

サダナンダ先生は「白湯もしくはぬるま湯」と、書いていますが、寝る前に夜食を食べてしまったとか、夕食が重かったというような場合には、熱々の白湯よりもぬるま湯の方が向いていることがあります。

また、夏の暑い時や、ピッタ体質の人には白湯よりもぬるま湯の方が向いています。ヨーガラトナーカラという古典書では、起床時はまず水を飲むと書かれていますが、生水を飲むのは、どんな場合でもダメですので、室温の湯冷ましにしていただきたいのです。どのくらいの温度のお湯を飲んだ時に自分の体調が一番よくなるのかは、自分で試してみてください。目安としてはお腹のすっきり感と体の温かさです。

アーユルヴェーダでは消化不良を解決するために、水を半分まで煮詰めて使うとか、4分の1、8分の1まで煮詰めるなどの方法があります。これはおそらく水のクラスターを小さくして吸収されやすくするとかそういうことなのでしょうけれども、そこまでしなくても、とにかく温かいだけでもいいのです。電子レンジでチンしただけでも冷たい水道水よりは物理的に温度が高い分マシなのです。

白湯を飲んで温かくなるだけでも、ヴァータが下がりますので、気持ちが落ち着いたり前向きになったりする精神的な効果もあります。白湯の飲み方だけで様々な効果がもたらされるので、日本アーユルヴェーダスクールの及川先生のグループでは実験を重ねて「白湯の処方箋」という本も出しています。(日本アーユルヴェーダスクールから買うことができます。)

お湯を沸かすだけですから、朝、味噌汁のために鍋にお湯を沸かして、少し取り分けて飲む、という程度のことでもいいのです。お金もかからず副作用もない安全な方法ですので、ぜひ、試してみてくださいね。

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