ワゴリ通信1・2 〜パンチャカルマ体験記〜

2019年8月のパンチャカルマツアーに参加され、3週間のパンチャカルマを受けられた方の体験記です。

パンチャカルマの治療内容だけでなく、その期間の食事や過ごし方、滞在先の病院についても触れられています。

今後、ワゴリでのパンチャカルマをご検討されている方には参考になるかと思いますのでご紹介させたいただきます。

*個人の経験に基づく内容となっております点をご理解ください。

次回のパンチャカルマコースは、2020年2月1日〜。詳細はこちら

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【ワゴリ通信1】

2019.8.26

プネ近郊のワゴリにあるアーユルヴェーダ病院に滞在しています。これで3回目の滞在ですが、本当にここに来るとホームに帰ってきたような安心感を覚えます。ドクター達やスタッフさん達が温かく迎えてくれて、患者さん達の治療に一生懸命になってくれるのが安心できる大きな理由の一つです。

ヨガとアーユルヴェーダ、どちらもインドに源流のある教えです。

ヨガはポーズの練習やその基礎となる動きの練習をすることで、痛みをなくすなどの肉体的な効能にとどまらず内面的な効能も受け取ることができます。アーユルヴェーダは医療ですので体の疾患を治したり予防するもので、西洋医学との一番の違いは痛みをとれば終わりではなく根本原因から治していくところです。

健康な体に健康な心が宿るように、ヨガでもアーユルヴェーダでも肉体を整えるのは重要です。なぜならどちらも健康で人生に与えられた役割を果たしていくことを説いているからです。肉体を健やかに保つために、ヨガではシャットクリアという浄化法が、アーユルヴェーダではパンチャカルマという方法があります。

シャットクリアの一つであるネティは脳と一番近い鼻の奥を綺麗に保つ方法で、パンチャカルマでは体の中に溜まった毒素のような不必要なものを、不必要なものが溜まっている箇所から一番近い穴、口や肛門を通じて排出させていきます。長年積み込んできた不要なものを出していくのは楽ではないですが、そうすることで例えば喘息の発作が出なくなったり、内臓の病気が改善していきます。

今回は自分も治療を受けつつ、アーユルヴェーダの勉強とスパイス料理、特にアーユルヴェーダの指針に沿ったお料理の勉強も深めたいと思って滞在しています。

参加しているサトビックアーユルヴェーダスクールのパンチャカルマツアーでは滞在初日にはプージャがあります。これはこれから始まる治療がうまくいくように、そして患者さんや病院関係者だけに限らず周りの人々の健康を祈ります。プージャの進行や祭壇の周りの飾りには全てに意味があり説明を聞くと興味深いことばかりです。お坊さま達の唱えるマントラの音が体の細胞ひとつひとつに響いてきます。

その後には患者さん一人一人にドクターがついて詳細な問診を行なっていきます。病歴や体の不調を確認されたり日々の食生活や生活スタイルを詳しく聞かれます。これがベースとなってジュニアドクター、シニアドクター、そしてサダナンダ先生の回診を経て最終的な治療方針が決定します。

誰一人として同じではない、それぞれ違っていて当たり前だということがみえてきます。ここでは画一的な処置というのがありません。食べてきたものが違えば体型も違いますし、育ってきた環境によって性質も違います。ですので患者さんへの治療はオンリーワンのプライベートなものです。そういう対応ができるのがアーユルヴェーダの治療なのだと感じます。今回も患者さん全員の治療が実りのある結果になることを願ってやみません。

【ワゴリ通信2】

2019.8.29

25日から治療が始まりました。最初3日間はオイルマッサージのスネーハナ、スチームによる発汗のスベーダナ、オイルを使ったマトラバスティの組み合わせで、大体どの患者さんも同じメニューです。そして朝と晩にはジュニアドクターによる回診があります。脈と血圧を測り食欲はあるのか睡眠は良かったか何か問題はないか、丁寧に聞き取りしてくれます。夜の回診では翌日のトリートメントメニューが配られて、どういうことをするのか説明してくれます。

トリートメントが終わったら1時間ほど休んでシャワーを浴びます。随時身の回りの世話をしてくれるマウシーが来てくれてお湯を運んだり洗濯物を回収してくれます。シニアドクターの回診もあって、ジュニアドクターの朝晩の聞き取りを確認したり症状を確認した上で必要な患者さんには追加の飲み薬などが処方されます。

私は8月中旬に発熱して、それ以来咳が止まらず声が割れたりしていたのですが、治りそうで治らないのでドクターに症状を説明して飲み薬とギー入りの生薬うがいを処方してもらいました。すると半日程度で症状が治ってきて効果てきめんです。

そうこうしているうちにランチ。ランチは大体おかず2種類とチャパティとご飯の組み合わせですが、チャパティがとっても美味しい!タッパーに入れて配膳されるのでチャパティは大体冷めているのですが、それでも柔らかく層になっていておかずに浸して食べるのが至福です。ご飯を食べた後は回廊をゆっくり歩いて消化を促します。特にお通じが悪かったりするとドクターから歩くことと白湯を飲むことをアドバイスされます。

パンチャカルマ中は体調をアイドリング状態にしなさいと言われます。動きすぎず、怠慢になりすぎず、ゆったりリラックスして過ごすことが患者さんのお仕事です。そういう意味でアイドリングではなく駐車になってしまう昼寝は厳禁。そこでサトビックさんのツアーでは色々なアクティビティが用意されています。アーユルヴェーダ薬局で製剤の様子を見せてもらったり、クッキングクラスがあったり、デーバナーガリーの読み方書き方を教えてもらえたり飽きない工夫がされていて感心します。

昨日はプラバタイのクッキングクラスがありました。メニューは帰国してからもすぐに使えるようにキチャディ(お粥)です。油を使ってタルカしてから作る方法と、最もシンプルに材料とスパイス少しを加えて作る方法の2種類を教わりました。今日はギーの作り方を見せてもらう予定です。オーセンティックな方法が作られるギーは体の中で悪さをせず良い効能だけをもたらすのだそうです。(続)

続きはここから。

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