におい展で 悶絶?うっとり?

池袋パルコへ「におい展」を見に行ってきました。

見にいく…と、いうよりも、「嗅ぎに行く」というのが正解で、
様々なにおいを クンクンすることができる展示会です。

ドリアン、臭豆腐、くさやのような悪臭から、
滅多に嗅ぐことができない,高級な香水の原料となるアンバーグリス(抹香鯨の分泌物)とか、ムスク(麝香鹿のあそこから出る えも言われぬセクシーな香り…)まで、50くらいの珍しい香りをクンクンできるように展示してありました。

こんな香りもありましたよ….

そう、カメムシ!

普通は嫌な臭いらしいのですが…私にはコリアンダーの良い香りのように思えるので、それほど嫌ではありませんでした。

会場は結構、若い人たちで混んでいて、
「ギャ〜!涙とまんなーい!」
「ゲロ吐きそう〜」
「マジヤバクナイ?」
などと、肝試しのノリで盛り上がっています。

しかし….実は私は鼻が効きません。
数年前にインフルエンザで高熱を出し、タミフルを摂ってからというもの、匂いがあまりわからないのです。

タミフルの副作用には嗅覚障害はありませんから、薬が悪かったのではなく、高熱そのものが悪かったのか、それとも単なる老化なのかはわかりませんが、とにかく、においがわからなくなると、まるで世界から色が消えたようになりました。

最近の研究によると、においがわからなくなると、味もわからなくなり、やる気がなくなり、時間感覚なども歪んでくるというのですが、まさにその通りでした。

少しづつ治ってはきましたが、西洋医学的には、嗅覚障害を治すには、「何の香り」と意識して、嗅ぎまくることしかないのです。
この展示会は、まさにそのトレーニングにはうってつけの内容でした。

男女のフェロモンとか、加齢臭とか、お父さんの靴下など、嗅ぐのに勇気が必要なものもありましたが、何と言ってものけぞったのは、コレ!

surströmmingシュールストレミングという、ニシンの缶詰です。
中で発酵させているので、まるでドブのような臭いで、うげっ!
よくテレビの罰ゲームで使われていましたが、確かにゲロを吐きそうになりました。
これが美味しいというのですから、北欧の人はどーかしています。笑
くさや完敗という感じです。

嗅覚が復活してきた時に不思議だったのは、腐敗臭とか、ガスとか、悪臭の方が、先にわかるようになってくるのです。生命に危険を及ぼすものを見分ける能力の方が、美しい香りを味わう働きよりも先に修復されるのですね。

一つ一つのコーナーの最初と最後には、必ずコーヒー豆が用意されていました。これは、鼻の中の匂いの記憶をリセットするためものものです。
そう言えば、インドのお線香屋さんの店頭にも、コーヒー豆が置いてありました。
いろんな香りを嗅ぎすぎてわからなくなったときは、コーヒー豆の香りを嗅がされます。

アーユルヴェーダでいうと、コーヒーは苦味。五大元素で言えば「空元素」と「風元素」で出来ています。風元素の運動性で微細なところまで入り込んでいき、そこで空元素の司る空間性を広げる。つまり、ついたものを引っかき落としてさっぱりさせる働きがあるということですね。それは味でも、香りでも同じなのだな〜と思いました。

2月25日までですので、ぜひ、行ってみてください。
一見の価値…いえ、「ひと嗅ぎ」の価値がありますよ!