—ダートゥの役割と 増減のサインを知る—
前回のお約束どおり、ダートゥの順番のトップバッターである、ラサダートゥを例に、ダートゥの役割と、増減のサインについてお話しますね。
まず、アーユルヴェーダの中では、ラサという言葉はいくつかの意味で使われています。
ジュース
水銀
味
どれも、ラサという言葉が使われていますが、共通項は「エッセンスである」ということです。
ジュースは、果物や野菜から絞ったエッセンス、
水銀も金属の精髄みたいなものだし、
味というのはその物質のエッセンスである五大元素が凝縮したものである、と考えられるため、どれもラサ(エッセンス)という言葉が当てられているのです。
で、ダートゥとしてのラサとは、食べ物から搾り取られたエッセンスが、ギュッとつまった栄養液だということです。
西洋医学的に言うと、食べ物が胃で粉かく砕かれてドロドロになり、十二指腸で溶かされて人体に吸収されやすい形に変わって、小腸から吸収されて身体の中へ入っていきます。
この栄養液(ラサの前段階であるアーハーララサ)が、身体に使いやすい形に整えられたものが、ラサダートゥです。
ラサダートゥはよく、乳糜とかリンパなどと訳されますが、細胞の間を満たしている間隙液や血液の中の血漿成分などもラサと考えられています。
白く、冷たく、油性の液体で、身体を滋養して、心を満足させる働きをします。
ですから、ラサダートゥが減りすぎてしまうと、身体の油性が足りずに乾燥してしまい、衰弱してしまいます。
単純にヴァータが上がった場合にも同じことがおきます。乾燥して、衰弱します。たとえば、寒いところに長くいた場合などです。
この時、ラサが足りないのか?それともヴァータがあがっているだけなのか?ということを見分けるためには、ラサが減った時の他の症状が一緒にでているかどうかを見ればよいのです。
たとえば、ラサが減ると、感覚器官にも滋養がいかなくなるため、大きな音に過敏になったりします。
ドアがバタンとしまる大きな音が苦手、とか、人混みがツライ、他の人が平気なテレビの音でも、疲れてしまう…と、いった症状があれば、ラサが減った時のサインですから、ラサを補ってやればいいのです。
温かいミルクを飲むとか、ギーや、シャターワリをとるなどが治療になります。
ラサが減る原因の一つはヴァータがあがっていることですから、ヴァータを下げることをやるのも治療になりますが、単に温めるとかではなく、ラサの場合には、飲食物で補うことが重要です。だって、原材料が入ってこなければ、ダートゥを作ることができませんからね。
でも、精神的要素も重要です。ラサダートゥの場合には、心配ごとがあったりすると、消化がうまくいかずに、ちゃんとしたラサが作られなかったりしますので、不安や心配がない状態にしておくことも重要です。
時間を気にしながら食べた食事は明日のあなたを養う力にならない、と言われたことがあります。重いものや硬いものを食べることも消化に負担をかけてしまうので、綺麗なラサが作られません。
逆に、よいラサが潤沢に流れている場合には皮膚の質がとてもよくなります。美肌を目指すためには、よいラサを潤沢に作る必要があるのです。
ラサダートゥを健全にするには、アンナヴァハスロータス(食物を運ぶ経路)がうまく働いてくれなくてはいけません。
そのためには、よく消化されるものを、消化されるだけの量だけ、規則正しくたべ、よく吸収されるように、ストレスなくしておくこと。こういうことが、アンナヴァハスロータス(食物を運ぶ経路)を守る鍵となるのです。
ダートゥとスロータスの関係は、こんな風に重要ですから、両面から学ぶ必要があります。そうすると、このダートゥの概念をうまく使いこなせるわけです。
そこで今回は4月末の講座で、「ダートゥとスロータスの基礎知識」の総論を理解した上で、
5月3日には「アーユルヴェーダの消化器系」と題して、アンナヴァハスロータスのことを学び、そして最終日に、「ラサとラクタのことを学ぶ」、という構成にしてあります。
この順番で学んでいくことが、一番わかりやすい近道だと思うからです。実戦経験豊富なDr.スクマールから、役に立つ話しをまとめて聞ける、貴重な機会ですから、お時間のある方は、是非いらしてくださいね!
Dr.スクマールのレクチャーは、
4月28日新大阪 ダートゥとスロータスの基礎知識
4月30日渋谷 ダートゥとスロータスの基礎知識
5月 3日表参道 アーユルヴェーダの消化器系
(アンナVスロータスについて)
5月 4日表参道 アーユルヴェーダの呼吸器系
(プラーナVスロータスについて)
5月5日表参道 アーユルヴェーダのリンパ血液皮膚循環器系
(ラサ&ラクタ ダートゥについて)
詳細とお申込はwww.satvik.jpでお待ちしています!
こうしたお話をさせていただく、普段の中級コース&初級コースは、
中級コースは7月からの予定ですし、初級コースは5月から6月に4回コースで行いますので、詳細はwww.satvik.jpでごらんくださいね〜。