続きです。
チャイの美味しさの秘密です。
次回のパンチャカルマコースは、2020年2月1日〜。詳細はこちら。
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【ワゴリ通信3】
2019.9.1
プラバタイに昔ながらの真正なギーの作り方を見せてもらいました。滞在している病院の敷地内に牛が飼われているので、その牛たちから取れた搾りたての牛乳が材料です。
まず牛乳を温めてクリーム部分を取り分け、ヨーグルト種を加えて一晩置きます。このヨーグルトには脂肪分も含まれています。そのヨーグルトをチャーニング(攪拌)していきます。昔は木の棒で攪拌していたそうですが、今は電動マシンを使用します。ある程度バターとして固形になってきたらバターを取り分けます。残った液体がバターミルクです。このバターミルクにはオリの様な不純物が含まれていて飲む前に濾すことが多いようです。
その場でバターミルクを試飲させてもらいましたが、加えたのは少量の塩とヒングのみ。濃厚で美味しいバターミルクでした。ただし、カパを増やすので、患者さんの容体によってはこういう試飲も禁止です。
取り分けたバターを鍋に入れて火にかけ、水分が飛んで泡が出なくなったら黄金色のギーの出来上がりです。芳香のあることったらありませんでした。
こうして作るオーセンティックなギーはオイルであってもコレステロールを増やすことはないそうです。市販のギーはどうか聞いたのですが、製造方法が分からないのでなんとも言えないそうです。
インドで1番神聖なオイルであるギーは料理にはもちろん、治療にも使われます。ギーを使った製剤もありますし、薬用のギーを治療の前処置として飲むこともあります。(続)
【ワゴリ通信4】
2019.9.3
病院の敷地内で飼われている牛の話を説明してもらいました。インド原産の牛は8から10種類いて、ここで飼われいてる牛はおでこが丸くコブがあるのが特徴でマハラシュトラ州原産とグジャラート州原産の牛がいます。どちらもインドの強い太陽の光の中でも暮らしていける強い性質を持っていて、プラバタイの説明ではコブに太陽のエネルギーが集まることで牛から出るミルク、尿、便がとても神聖な効果をもたらすのだそうです。尿は農薬代わりに使ったりお清めの代わりに使ったり、便は乾かして燃料になりますので全く無駄がありません。
ジャージー種やホルスタイン種はインド原産の牛たちよりもおよそ2倍量のミルクを出すそうですが、同時に病気を引き起こしやすい原因を持っていることが最近の研究でわかってきているそうです。そのため、この病院で飼われているのはインド原産の牛にこだわりがあります。
現在、ここでは12頭の子牛が生まれています。搾乳の時間は朝と晩の2回で、最初に子牛を連れてきてお母さん牛のミルクを飲ませます。そうすることで母牛は刺激されてミルクが出やすくなるのだそうです。少ししたら子牛を離して人間が手で搾乳します。乳は4つあって、搾乳しながらもどこにどれくらい残すかは人間の職人技です。
人間に分けてもらえるミルクをとったら最後に子牛を戻して食事タイムです。しかし、人間用に分けてもらっているので、子牛としたら飲み足りないし、母牛の近くにいたいしで離されるのを全力で阻止します。その様子の不憫さというか本能で抵抗する様子には申し訳なさを感じます。
この間、母牛はずっと食事を与えられています。搾乳する間、人間や搾乳したミルクの入った缶を蹴飛ばさないように母牛は後ろ足を紐で縛られています。お母さん牛は必ず自分が生んだ子牛にしかミルクをあげないそうです。他の母牛が生んだ子牛が近づいてきても蹴飛ばしてミルクを与えないと聞きました。
日中は放牧されて青草を食べているのですが、それだけでは水分が多すぎてミルクが薄くなってしまうので雑穀などの乾燥させた草、小麦のふすまなどの食事も与えるのだそうです。先日、初めてのお産が終わった母牛が子宮脱のような状態になって特別食を与えられていましたが、それはベーサンパウダー、ジュワリという雑穀、ジャガリに水を加えていました。配合考えたら人間のスイーツになりそうな材料です。
こうして取れたミルクはこの後ギーを作るために人間が加工します。最初のクリーム分をとった後のミルクは私たち患者のチャイの材料となります。病院のチャイが美味しい訳はここにありました。(続)
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